【10月の養生(4)肺と大腸と免疫力】10/25配信メルマガ#17

先週のメルマガで、肺と大腸は共に同じ「金」の仲間であるとお伝えしました。

呼吸に関係する肺と、消化吸収に関係する大腸が仲間であると言われてもあまりピンと

来ないかもしれません。しかし陰陽五行論では、肺と大腸は表裏の関係で経絡を通じて

お互いに連絡しあっていると考えられています。

ウィルスや細菌、花粉などのアレルゲンはほとんどの場合が肺から侵入してくるので、

「肺」の状態は免疫力とも深い関わりがあります。

近年では腸内環境がアレルギーにも関係しているとメディアなどでも言われるように

なり、大腸と免疫力に関連があるのもうなずけるのではないでしょうか。

それにしても、何千年も昔から、肺と大腸がつながっていると経験的に分かっていたと

いうのには驚きます。先人の知恵と経験というのは本当にすごいですね。


免疫の7割は腸にある、とも言われていますが、日頃から腸内環境を整えておくことは

とても大切です。日々の排便状況、便の状態やニオイなどを自分で観察してみましょう。

前の日に食べた物や、冷たいものを摂りすぎた、強いストレスがあった、などによって、

様々な変化があるはずです。


では腸内細菌に良い食事とはどんなものでしょうか。

やはり基本的には、日本人が昔から食べてきた、伝統的な和食が良いです。

「まごわやさしい」という言葉を聞いたことがありますか?

ま→豆類、ご→ごま(種実類)、わ→わかめ(海藻類)、や→野菜、さ→魚、し→しいたけ

(きのこ類)、い→芋類、の頭文字を取ったものです。

地産地消で、その土地で採れた旬のものを中心に、バランス良く食べるのが良いですね。

また、食物繊維や発酵食品も意識して摂りましょう。日本の伝統的な発酵食品は、漬物、

味噌、納豆などいろいろあります。

食べる時はよく噛んで、腹八分を心がけることも大切です。よく噛むことで胃腸の負担

を減らすことができ、唾液もたくさん出ます。唾液には細菌の増殖を防いだり、口内を

清潔に保つ洗浄作用、また農薬などの化学物質を抱え込み排泄する作用も期待できます。

よく噛んで食べることで早食い、食べ過ぎを防ぐこともできますし、カラダにとって

良いことばかりです。

そして、食品添加物や化学調味料などが多く含まれている加工食品や精製食品は、

なるべく避けましょう。人工的な食品添加物の中には、腸内細菌のバランスを崩したり

腸に炎症を起こしたりする可能性を指摘されているものもあります。

現代では化学物質を完全に避けることはほぼ不可能ですが、なるべく減らすように意識

し、買い物をするときに裏面の成分表示を見てから買うようにすると良いと思います。

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今回もお読みいただきありがとうございました。

腸内環境を整えるために気を付けたいことは他にもたくさんありますが、すべてに

こだわって100%やろうとすると、逆にストレスになってしまうこともあると思い

ます。カラダにとって良いことをして、ストレスを溜めてしまうのは本末転倒です。

ときには食べたいもの、好きなものを美味しく楽しく食べるのも良いと思います。

そんな時は食べ合わせや食べ方に気を付けてみましょう。

基本的に「あれダメ!これダメ!」がないのが漢方養生学の良いところです。

次回もお楽しみに!

漢方養生アドバイザー® 吉澤茜

【10月の養生(3)秋の食養生】10/18配信メルマガ#16

五行色体表を見ると、秋は「金」に属し、肺・大腸・白・燥・辛・ 鼻・皮毛・悲などが

同じ仲間で、秋に深い関わりがあることがわかります。

東洋医学で言う「肺」とは、単に臓器の肺のことだけではなく、鼻、咽喉、気管支、肺

など呼吸器官全体、またその働きのことを示します。

肺は外界と接していて、ウィルスや細菌、その他花粉などのアレルギーの原因となる

ものは、ほとんどが肺から侵入してきます。感染症対策にも、免疫力を考える上でも

肺はとても重要です。


秋は乾燥の季節ですが、肺は乾燥がとても苦手です。

皆さんも、空気が乾燥していると喉が痛くなったり、空咳が出たりという経験があるか

と思います。鼻や喉がしっかり潤って粘液で覆われていないと、ウィルスなども侵入

しやすくなります。早めに潤い ( 陰 ) を補って、カラダの内側から乾燥を防ぎましょう。

大腸や皮膚も「金」の仲間です。乾燥して便が硬く便秘気味になった、肌がカサカサ

してきた、という方は肺が乾燥しているサインです。 保湿クリームなどを塗って保護

してあげることも刺激から守るためには必要ですが、カラダの内側が乾燥していては

またすぐにカサカサになってしまいます。肺やカラダを潤す作用のある食材を取り入れ、

内側から乾燥対策をしましょう。


また辛味のあるものを摂ることで、肺の気がアップします。大根、ネギ、生姜など、

辛味のものを少しプラスするのもオススメです。辛味は発散作用が あり、気血の巡りを

良くしたりカラダを温めたりする効果がありますが、食べ過ぎると毛穴が開いて汗を

かきすぎ逆にカラダを冷やしてしまう、陽気を発散しすぎてしまう、ということもあり

ますので、摂り過ぎには気をつけましょう。


〈秋にオススメの食材〉

山芋、里芋、蓮根、白キクラゲ、百合根、くわい、大根、ネギ、 白ゴマ、梨、りんご、

いちじく、柿、ぶどう、バナナ、豆乳、豆腐、葛、はちみつ、 松の実、銀杏、蓮の実、

杏仁、卵、豚肉、きのこ類、海藻類、タコ、ほたて、鮭、鯖、 秋刀魚、鯛、鰆、など


秋は美味しい食材がたくさん出てきます。

ぜひ旬のものを取り入れて、美味しく楽しく食べながら、 元気に過ごしましょう!


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お読みいただきありがとうございました。

秋と関わりの深い感情は「悲」。

日が暮れるのが早くなって少し冷たい秋風が吹いてくると、なんとなく物悲しい気持ち

になってしまいますが、「悲」は肺の気、免疫力を落としてしまいます。

天気の良いには外に出て太陽の光を浴び、お日様のパワーをたくさんもらいましょう。

次回もお楽しみに!

漢方養生アドバイザー ®    吉澤 茜

【10月の養生(2)秋の養生】10/11配信メルマガ#15

季節の変わり目というのは、寒暖差が大きく、天気も変わりやすいので、その都度

カラダが対応しなければなりません。すると自律神経に負担がかかり、疲れやすく

なったりバランスを崩したりしがちです。

また夏の終わりから秋にかけては台風も多く、秋の長雨という言葉もありますが、

実は梅雨よりも9~10月の方が降水量も多いのです。

しかし一方で、秋は空気も乾燥してきて、喉やお肌の乾燥も気になります。

今の季節、どんなことに気をつけて過ごしたら良いかお伝えしていきたいと思います。


まずは「早寝早起き」です。秋分の日を過ぎ、昼(陽)より夜(陰)の時間の方が長くなって

います。人間も自然の一部であるということを常に忘れず、太陽の動きに合わせて、

私たちの睡眠や活動も考えていくと良いですね。

夜ふかしは気血を消耗してしまいます。

四季を通じて夜ふかしは避けた方が良いですが、陰の季節である秋冬は特に早めに寝る

ように心がけたいですね。

そして朝は早めに起きて朝日を浴び、なるべく朝のうちにカラダを動かして交感神経が

グッと優位になるように活動します。しっかりとメリハリのある自律神経の波を作り、

生活リズム、陰陽のバランスを整えていきましょう。


次に、適度な運動、自らカラダを動かすことです。

夏は気温が高く、副交感神経が優位になることは以前にもお伝えしました。

これからはだんだんと寒くなっていきますので、副交感神経から交感神経に切り替わり、

基礎代謝を上げていく必要があります。その際、適度な運動をすることでスムーズに

変化に対応できるようになります。またカラダにこもった余分な熱を発散し、夏の

テンションをなだらかに落としていくためにも運動をするのはとても良いです。

秋は収斂の季節ですので、大量に汗をかき疲れ果ててしまうような激しい運動ではなく、

少し心拍数が上がり、汗ばむぐらいの運動にしましょう。


そして、これは一年を通じて繰り返しお伝えしていますが、冷たいものは控えましょう

涼しくなってきたとはいえ、日中はまだ半袖で過ごすぐらいの気温まで上がることが

あります。するとどうしても冷たいものが欲しくなってしまいます。今は習慣で一年中

氷入りの飲み物を飲んでいる人もいます。

しかし、胃腸をダイレクトに冷やしてしまうのは危険です。免疫力も下がりますし、

冷えは全身の様々な不調へと繋がります。

暑いときは、冷たい飲み物や食べ物ではなく、寒涼性の食材で涼しくなりましょう

今の時期でしたら梨や柿などの果物もオススメです。緑茶も涼性なのでいいですね。

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お読みいただきありがとうございました。

早寝早起き、適度な運動、冷やさない。

どれも言われてみれば健康のために当たり前のことだと思います。

しかし頭では分かっていても実際はなかなか…という方も多いのではないでしょうか。

養生は実践あるのみです。まずはとにかく自分でやって体感してみてほしいと思います。

次回は秋にオススメの食材などについてお伝えします。お楽しみに!

漢方養生アドバイザー® 吉澤茜

【10月の養生(1)〇〇の秋②】10/4配信メルマガ#14

さて今回は、前回の続きで秋の過ごし方をお伝えしたいと思います。


◎スポーツの秋

 真夏や真冬に、よし!スポーツを始めよう!とはなかなかなりにくいと思いますが、

 爽やかな秋晴れに心地よい風を感じると、普段はあまり運動をしない人も外に出て

 カラダを動かしたくなるのではないでしょうか。

 適度にカラダを動かすことは、どんな人にとっても必要です。

 そんな中でも特にスポーツの秋をオススメしたいのは、気が下がっている人です。

 具体的には、元気がない、疲れやすい、食後に眠くなる、風邪をひきやすい、冷えやすい、

 気温や気圧の変化に敏感、などです。

 元気がない状態だと運動をする気も起きないかもしれませんが、だからといって

 引きこもってばかりいては気が下がる一方です。自らカラダを動かして、気を上げていきましょう。

 無理なく自分のペースでやれることで構いません。

 ウォーキング、ジョギング、ストレッチ、ヨガ、ダンス、水泳、サイクリング、登山、

 ゴルフ等々。義務感ではなく、自分が楽しめることをやりましょう。

 私も毎週テニスをやっていますが、運動して汗をかくととてもスッキリします。

 自律神経のリズムをしっかり作ることも大切ですので、朝~午前中にカラダを動かす

 のがオススメです。

 
◎行楽の秋

 日々ストレスを感じている人は、自然の中へ出かけていって、心身ともに解放して

 のびのび過ごしましょう!

 このご時世、全くストレスを感じていない人はほぼいないのではないかと思います。

 ストレスを受け続けると「肝」がダメージを受け、気の巡りが悪くなります。

 肝鬱気滞という状態です。気が滞ると、溜め息が出る、肩や首が凝る、脇腹が張る、

 喉にものが詰まったような感じがする、すぐイライラする、などの症状が現れます。

 ストレスを溜め続けることなく、ちゃんと発散しましょう。

 日頃から、自分のストレス発散法を見つけておくことも必要です。

 ぶどう狩り、梨狩り、栗拾い、さつまいも掘り、紅葉狩り、ハイキング、キャンプ、

 など、秋ならではのイベントもいろいろありますので、ぜひ楽しんでくださいね。


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お読みいただきありがとうございました。

ご自分に合った秋の過ごし方は見つかりましたか?

不自由や制限、出来ないことはたくさんありますが、出来ないことにばかり目を向ける

のではなく、今できることの中で最大限楽しめる方法を考えて過ごす方が幸せですよね。

何事も捉え方次第。笑って過ごしたほうが免疫力も上がります!

それでは次回もお楽しみに。

漢方養生アドバイザー® 吉澤茜

【9月の養生(3)仲秋の名月】9/20配信メルマガ#12

(3)   仲秋の名月

明日 9 月 21 日は、旧暦の 8 月 15 日、仲秋の名月です。


皆さんは普段、月の動きや満ち欠けを意識していますか?

日本では明治の初め頃に西洋化に伴い、それまで使用していた旧暦(太陰太陽暦)から

新暦(太陽暦)に改暦しました。

いま世の中は太陽暦で動いていますが、月の暦を見てみると、日本の気候風土にとても

合っていて、月の満ち欠けに影響を受ける潮の満ち引きや動植物の変化などを良く感じ

取ることができるように思います。

特に女性は、陰陽でいうと「陰」ですし、毎月来る生理を「月経」とも呼びます。

月経周期、女性のバイオリズムも月の満ち欠けのサイクルに大きな影響を受けている

ですね。


太陽は熱を放散し、その熱によって地球は生物が生きていける温度に保たれています。

明るく、暖かい存在の太陽は「陽を主る」ですね。

反対に月の光はいくら浴びていても暑くなることはありません。

また月は、その引力によって潮が満ち引きします。

人間のカラダの60%が水でできていることを考えると、月の満ち欠けが人間の体調の

変化にも影響を及ぼしているかもしれません。

水分=陰に影響を与える月は「陰を主る」と言えますね。


昔から、出産は満月の日が多いと言われています。

月の引力は、新月と満月のときに最大になり(大潮)、半月( 上弦の月、下弦の月)の

ときは力を打ち消し合って最小になります(小潮)。

現代は医療の進歩で計画出産や無痛分娩、帝王切開なども増え、必ずしも満月の日に

出産が集中するわけではないようですが、 自然に沿って生きていた時代は、出産も月の

影響を受けていたと考えられますね。


カレンダーがなかった時代、人々は太陽や月の動きをもとに田植えや種まき、収穫など

をしていました。お月見は収穫を祝う、感謝する日でもあります。

明日の夜はススキとお団子をかざって、お月見を楽しんでみてはいかかでしょうか。

晴れるといいですね!

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いつもお読みいただきありがとうございます。

もうすぐ秋分の日です。今週は祝日も多いので、自然の中へ出かけるのもよいですね。

閉塞感のある状況が続いていますが、ぜひ爽やかな秋の風を感じてみてください。

次回もお楽しみに!

漢方養生アドバイザー ®  吉澤茜


【9月の養生(2)オススメの食材とツボ】9/13配信メルマガ#11

「実りの秋」という言葉がありますが、秋は様々な穀物や果物が収穫の時期を迎え、

これから美味しいものがたくさん出てきますね。

今は栽培技術や保存方法も進歩し、スーパーには一年中季節に関係なく商品が並んで

いますが、やはり「身土不二」、その土地で採れた旬のものをいただくのがカラダに

良いと昔から考えられています。


夏の暑さ(陽気)、また、たくさん汗をかくことによって、カラダは水分や潤いを失い

渇いています。

そしてこれからはだんだんと秋になり、乾燥の季節へと変わります。

「外因は内因を通じて発症する」と言いますね。

カラダの内側が乾燥していたら、外気の湿度が下がって乾燥してきたときに影響を受け

やすくなってしまいます。早めにカラダの陰(潤い・水分)を補っておきましょう。


〈陰を補う食材〉

山芋、蓮根、白キクラゲ、百合根、白ゴマ、梨、りんご、いちじく、桃、柿、バナナ、

トマト、オクラ、豆乳、豆腐、海藻類、葛、はちみつ、落花生、 銀杏、卵、豚肉 など


また、暑さや汗をかくことで、水分と一緒に「気」も消耗しています。

夏の疲れが残っていると感じる人、先日のメルマガでお伝えしたような夏バテや秋バテ

の症状がある人は、疲労を回復させ、気を補う食材も摂ると良いでしょう。


〈気を補う食材〉

穀類、芋類、肉類、とうもろこし、大豆、枝豆、さやいんげん、かぼちゃ、椎茸、桃、

ぶどう、さくらんぼ、ナツメ、栗、あじ、いわし、うなぎ、たこ、かつお、エビ など


夏の間に冷たいものをたくさん摂ってしまった、食べ過ぎが続いている、胃腸が疲れて

いると感じる人は、まずは胃腸を整えましょう。せっかくカラダに良いものを食べても、

胃腸の働き(脾胃)が弱っていたらきちんと消化吸収されません。

脾胃は気・血を生み出す源です。秋に向けて、しっかり整えておきたいところです。


〈脾胃を良くする食材〉

自然の甘味のあるものや黄色いもの(米、粟、黍、とうもろこし、かぼちゃ、キャベツ、

玉ねぎ、白菜、さつまいも、栗、ナツメ、カリフラワー、ブロッコリー など)

※ 砂糖たっぷりの甘いお菓子や飲み物は良くないので気をつけましょう。


脾胃は冷えと湿気を嫌います。秋の初めはまだ暑いですが、温度が冷たいものではなく、

寒涼性の食材をうまく取り入れて涼しくなりましょう。


最後にオススメのツボを紹介したいと思います。

・ 足三里(あしさんり)

膝のお皿の下から指 4 本分下(脛の外側)にあるツボです。気持ちが良い程度に指で

押したり、お灸をのせても良いですね。胃腸だけでなく全身の様々なトラブルを解消

してくれる万能ツボです。


・ 中脘(ちゅうかん)

お臍から指幅4本分ぐらい上、お臍とみぞおちのちょうど中間ぐらいにあるツボです。

強く押すと気持ち悪くなってしまったりするので、指 4 本全体で円を描くようにもみ

ほぐす感じで刺激すると、指 1 本よりあたりが柔らかくていいようです。冷えている

人はカイロで温めるのも気持ちが良いですよ。


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お読みいただきありがとうございました。

ツボの場所は、インターネットで検索すると分かりやすい説明が載っていますので 、

見てみてください。

オススメの食材を使った簡単オススメレシピなどがあれば、ぜひシェアしてください♪

メルマガでご紹介させていただきます。

それでは次回もお楽しみに!


漢方養生アドバイザー ®  吉澤茜

【9月の養生(1)その症状、秋バテかも?】9/6配信メルマガ#10

9 月に入り、急に気温が下がりましたね。ここ最近は雨続きで、太陽が恋しくなります。

皆さん体調を崩していませんか?

日もだんだんと短くなり、秋の風を感じ、季節の移り変わりを感じます。


夏の蒸し暑さとは打って変わって、秋は気温も湿度も下がり、爽やかで過ごしやすい

季節です。

しかし、近年は「秋バテ」なんていう言葉も耳にします。( Wikipedia にもちゃんと説明

が載っていました!もう市民権を得た言葉なのですね)

夏の疲れを引きずってしまうことに加え、季節の変わり目は気温や気圧の変化も大きく、

自律神経が乱れ、倦怠感、めまい、食欲不振、胃もたれ、下痢、 頭痛、不眠など様々な

症状が現れます。夏に胃腸に負担をかけてしまったことも原因のひとつでしょう。

ここでしっかり体調を整えて、爽やかな季節を元気に楽しく過ごしたいですね。


自律神経には交感神経と副交感神経があり、その都度お互いにバランスを取りながら

カラダの様々な機能を支えてくれています。

また、自律神経には一日の適正なリズムがあり、日中は交感神経をしっかり優位にして

活動し、夕方からは徐々に副交感神経を優位にし、夜はぐっすり眠ってカラダを休める。

この一日のリズムを、しっかりメリハリをつけて作ることが、漢方養生学®ではとても

大切であると伝えています。

気温や気圧の変化の影響を受けやすくバランスを崩しやすいのは、気が低く、自律神経

のリズムがしっかり出来ていないからかもしれません。

西洋医学では、自律神経は自分ではコントロールできないものとされていますが、漢方

養生学®を学ぶと、自律神経をある程度自分でコントロールできるようになります。


まずは朝起きたら朝日を浴びて、朝食の前に少しカラダを動かしましょう。午前中、

特に朝の時間にカラダを動かすことで、交感神経がグッと優位に活動的になります。

漢方養生では朝の散歩をオススメしています。散歩が難しい方は、ベランダや庭に出て

太陽の光を浴びたり、軽くストレッチなどをしたりするだけでも全然違います。

朝食の前にカラダを動かすことで眠っていた内臓も動き出して消化 も良くなり、食べた

ものがエネルギーに変わりやすくなります。


朝なかなか起きられない、朝からカラダを動かすなんて無理! という方は、睡眠の質が

良くないのかもしれません。その大きな原因のひとつが、夜の過食です。

仕事が終わるのが遅くて夕飯の時間も遅くなってしまう、一日三食の中で夕食に一番

手の込んだ料理を作りしっかり食べる、という方が多いかもしれません。

しかし、高カロリーなもの、肉や油もの、カラダに熱を与えるもの等を夕食に食べて

しまうと消化に時間がかかりますし、交感神経がたかぶります。すると副交感神経が

うまく働かず眠りが浅くなってしまいます。血液はドロドロ、睡眠の質も低下、良い

ことはほとんどありません。

朝すっきり起きられない、寝てもあまり疲れが取れないという方は、夕食を見直して

みてください。消化がよくカラダに優しいものを少量食べて、質の良い睡眠を取り

ましょう。

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お読みいただきありがとうございました。

健康のためには、自律神経のリズムとバランスを適正に保つことが欠かせません!

漢方養生学®で一番大切なところです。

次回はこの時期にオススメの食材などについてお伝えしたいと思い ます。

お楽しみに!

漢方養生アドバイザー ®  吉澤茜

【8月の養生(5)たまには風邪をひくのも悪くない?!】8/30メルマガ#9

(5)たまには風邪をひくのも悪くない?!

早いもので8月ももう明日で終わりですね。

皆さんはどんな夏を過ごされましたか?

賛否両論あった東京オリンピックも無観客での開催となりましたが、日本は連日の

メダルラッシュで過去最多のメダル数を獲得し、盛り上がったように思います。

しかし一方で、新型コロナウィルスの新規感染者数(本当はPCR検査陽性者と感染者

は違うのですが…)は過去最高を更新し続け、テレビのニュースやワイドショーでは

毎日のように外出自粛の呼びかけ、ワクチン接種の推奨、変異株の割合の増加、重症者

の増加、医療崩壊の危機などを報道し続けていました。


我が家はこの夏、数年ぶりに家族全員で順番に風邪をひき体調を崩してしまいました。

私自身も熱が出てカラダがとてもしんどかったのですが、発熱もだるさも鼻水も痰も、

すべてカラダのデトックス、不要なものを出し、カラダを修復している反応なんだなぁ

と思うようになりました。するとしんどい風邪症状も、ありがたいものにさえ感じてき

ます(笑)。このように思えるようになったのも、漢方養生学®に出会えたお陰です。


以前の私は、子どもが体調を崩すとすぐに小児科に連れていき、なるべく症状が軽く

なるように薬を処方してもらって飲ませていました。薬剤師なので薬の効能効果はよく

分かっています。鼻水がひどいときはこの薬、咳がひどいときはこの薬と、症状に

合わせて使っていました。

しかし病院で処方される薬は基本的には対症療法、ほとんどが一時的に症状を抑える、

軽くするものでしかありません。

薬(西洋薬)がすべて悪いとは言いませんし、症状がひどい時には薬を服用してつらい

症状を和らげてあげることも必要かもしれません。

でも薬で症状を和らげている間に、必ず養生しなくてはなりません。病気を治すのは薬

ではなく、自分自身なのです。自分の持っている治す力、自然治癒力、免疫力、それで

治すのです。ただ薬を飲んでいれば良いわけではありません。

ウィルスが侵入して風邪症状が出るのは、自分の免疫力の低下や、カラダの(陰陽の)

バランスが崩れている、というサインでもあります。

体調が悪いときはあまり食べずに、まずはゆっくり休養を取ってカラダを休めることが

大切です。

このように考えられるようになってから、自分や家族が体調を崩しても落ち着いて対処

できるようになり、病院のお世話になることはほぼなくなりました。


漢方養生学®には、日本の先人の知恵を活かした健康法がたくさん詰まっています。

たくさんの人に漢方養生学®を知って学んでいただき、具体的な対処法を知ってぜひ

役立ててほしいと思います。

(※症状がどんどん悪化している、急激に悪化している、意識が朦朧としている、呼吸

困難、水分が摂れない、尿が出ないなどの症状がある場合はすぐに受診してください)

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お読みいただきありがとうございました。

9月に入ってもまだまだ残暑の厳しい日が続きますが、そろそろ秋に向けて体調を

整えていきましょう。

次回からは秋に向けての養生をお伝えしていきます。

お楽しみに!

漢方養生アドバイザー® 吉澤茜

【8月の養生(4) 夏バテしていませんか?】8/23配信メルマガ#8

(4)   夏バテしていませんか?

お盆を過ぎて8月も後半になってくると、そろそろ夏の疲れが出てきて、

夏バテかなぁと感じている人もいるのではないでしょうか。

冷房の効いた室内と猛暑の屋外との寒暖差で自律神経が乱れてしまっている、

冷たいものの食べ過ぎ飲み過ぎで胃腸が弱っている、

睡眠不足が続いていて疲れやすい、

など、心身に不調は出ていませんか?


かつては夏バテといえば暑さで体力を消耗し、食欲が落ちてぐったりする状態でしたが、

現代は、冷房によるカラダの冷え、冷飲食や水分の摂り過ぎによる

胃腸の働きの低下が夏バテの原因として多いように感じます。

気温が高く暑い夏ですが、人工的な冷えに一番気をつけなければならない季節ですね。


まず、疲れやだるさがある、日中も眠気が出てしまうという人は

しっかり睡眠をとってカラダを休めましょう。夏は「遅寝早起き」にしましょうと

お伝えしましたが、疲れているときはやはり睡眠はとても大事です。

夜はだらだらと起きていないで早く寝る。

以前のメルマガでも書きましたが、ポイントをおさえて昼寝をするのもオススメです。

また、シャワーで済ませるのではなく、ゆっくりとぬるめのお風呂に浸かるのもとても

良いですね。お風呂はカラダを清潔にする目的だけでなく、血管が広がることで 

血行を良くしたり、新陳代謝が高まり老廃物の排泄も促してくれます。ぬるめのお湯に浸かる

ことで副交感神経が優位になるのでリラックス効果も期待でき、冷房で冷えたカラダを

中から温めてくれます。寝付きを良くするには、就寝する1~2時間前に入浴すると

良いでしょう。

寝る直前までスマホやパソコンなどを見てブルーライトを浴びていると、

交感神経が刺激され、睡眠の質が低下してしまいますので、これも気をつけたいですね。

昼間の活動量が少なかったり、あまり太陽を浴びていなかったりすると、夜もぐっすり

眠れません。日中ある程度カラダを動かすことも、良い睡眠には必要です。


胃腸の不調が出ている人は、まず温かく消化の良いものを食べるようにしましょう。

温かいスープやお味噌汁なども良いですね。

無理してたくさん食べる必要はありませんので、胃もたれせず、食後眠くならない程度の量を、 

よく噛んでゆっくりと食べることを意識しましょう。

食欲が出ないと喉越しの良い冷たい麺類などが多くなってしまいますが、 

冷たいものは胃腸に負担をかけ、さらに働きを弱めてしまいます 。 

旬の夏野菜は夏にオススメですが、冷えている人が食べると

余計にカラダや胃腸を冷やしてしまいます 。そのようなときは、

カラダを温める作用のある(温熱性の)食材も取り入れると良いでしょう。

ご自身の生活環境、職場環境、体調などを考慮して、今の自分にとって必要なもの

選べると良いですね。

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今回もお読みいただきありがとうございました。

メルマガの感想をいただけると、とても励みになります!

またご自身やまわりの方の体験談などをシェアしていただけるととても嬉しいです。

ぜひ事務局宛に送ってくださいね。 これからもよろしくおねがいします。

次回もお楽しみに!

漢方養生アドバイザー ®  吉澤茜

【8月の養生(3)汗かいてますか?】8/16配信メルマガ#7

(3) 汗かいていますか?

現代は、日常的にエアコンの効いた部屋で過ごしていたり、

普段から運動不足だったりして、あまり汗をかかない人も多いかもしれません。

また、汗をかくとニオイが気になる、お化粧が崩れる、汗ジミができてしまう…などと、

汗をかきたくないと思っている人もいるのではないでしょうか。


そもそも 汗は上がった体温を下げるために出るもので、 

カラダの表面で蒸発し、気化熱によって体温を下げます。

しかし、普段から汗をかいていないと汗腺の働きが鈍ってしまい、

急に気温が上がったときや運動をしたときに汗をかきにくく、

カラダに熱がこもってしまい熱中症のリスクも高まります。

汗をかくことは暑い夏を元気に乗り切るためにとても大切です。


体温調節のために出る「いい汗」は本来、水のようにサラサラしていて蒸発も早く、

ニオイもほとんどしないのが特徴です。

汗腺には、濃い汗からミネラル分を再吸収してサラッとした水のような汗にする働きがあります。

しかし、一気に大量の汗をかいたり、汗腺の機能が衰えていたりすると、

再吸収が追いつかず、塩分濃度の高いベタベタした「悪い汗」になってしまいます。

大量にかく汗からはたくさんの塩分が失われますし、ベタベタした汗は蒸発しづらく

体温を下げる役割を果たせないばかりか、 雑菌が繁殖して嫌なニオイの原因にもなってしまいます。

なので「いい汗」にするためには日頃から汗腺を鍛えておくことが大切です。


では汗腺を鍛えるにはどうしたら良いでしょうか。

まずは運動! カラダを動かして汗をかきましょう。

運動の習慣のない人はウォーキングやストレッチなどの軽いものから始めてください。

あまり激しい運動ではなく、適度な有酸素運動を続けるのが良いですね。

はじめはあまり汗をかけなかったり、ベタついた汗が出てくるかもしれませんが、

続けることでだんだんと「いい汗」に変わってきます。


そしてぬるめのお風呂に少し長めの時間ゆっくりつかることや、 熱めの足湯も効果的

言われています。

このとき、お風呂上がりにいきなりエアコンで冷やさないように気をつけましょう。

うちわで扇ぐ程度にして、自然に汗が引くのを待ちます。

「いい汗」は皮脂と混ざり合って皮脂膜を作り、お肌の潤いを保つ保湿効果もありますし、

乾燥を防いで病原体からカラダを守る働きもあります。


汗をかくとココロもカラダもスッキリしますよね!

カラダを動かして汗をかくことで、自律神経も整い、良い睡眠にも繋がります。

不快だからといって汗をかかない生活をするのではなく、

「いい汗」をしっかりかいて爽やかに夏を過ごしましょう!

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お読みいただきありがとうございました。

次回は「夏バテしていませんか?」というテーマでお送りします。

お楽しみに!

漢方養生アドバイザー ®  吉澤茜