【10月の養生(4)肺と大腸と免疫力】10/25配信メルマガ#17

先週のメルマガで、肺と大腸は共に同じ「金」の仲間であるとお伝えしました。

呼吸に関係する肺と、消化吸収に関係する大腸が仲間であると言われてもあまりピンと

来ないかもしれません。しかし陰陽五行論では、肺と大腸は表裏の関係で経絡を通じて

お互いに連絡しあっていると考えられています。

ウィルスや細菌、花粉などのアレルゲンはほとんどの場合が肺から侵入してくるので、

「肺」の状態は免疫力とも深い関わりがあります。

近年では腸内環境がアレルギーにも関係しているとメディアなどでも言われるように

なり、大腸と免疫力に関連があるのもうなずけるのではないでしょうか。

それにしても、何千年も昔から、肺と大腸がつながっていると経験的に分かっていたと

いうのには驚きます。先人の知恵と経験というのは本当にすごいですね。


免疫の7割は腸にある、とも言われていますが、日頃から腸内環境を整えておくことは

とても大切です。日々の排便状況、便の状態やニオイなどを自分で観察してみましょう。

前の日に食べた物や、冷たいものを摂りすぎた、強いストレスがあった、などによって、

様々な変化があるはずです。


では腸内細菌に良い食事とはどんなものでしょうか。

やはり基本的には、日本人が昔から食べてきた、伝統的な和食が良いです。

「まごわやさしい」という言葉を聞いたことがありますか?

ま→豆類、ご→ごま(種実類)、わ→わかめ(海藻類)、や→野菜、さ→魚、し→しいたけ

(きのこ類)、い→芋類、の頭文字を取ったものです。

地産地消で、その土地で採れた旬のものを中心に、バランス良く食べるのが良いですね。

また、食物繊維や発酵食品も意識して摂りましょう。日本の伝統的な発酵食品は、漬物、

味噌、納豆などいろいろあります。

食べる時はよく噛んで、腹八分を心がけることも大切です。よく噛むことで胃腸の負担

を減らすことができ、唾液もたくさん出ます。唾液には細菌の増殖を防いだり、口内を

清潔に保つ洗浄作用、また農薬などの化学物質を抱え込み排泄する作用も期待できます。

よく噛んで食べることで早食い、食べ過ぎを防ぐこともできますし、カラダにとって

良いことばかりです。

そして、食品添加物や化学調味料などが多く含まれている加工食品や精製食品は、

なるべく避けましょう。人工的な食品添加物の中には、腸内細菌のバランスを崩したり

腸に炎症を起こしたりする可能性を指摘されているものもあります。

現代では化学物質を完全に避けることはほぼ不可能ですが、なるべく減らすように意識

し、買い物をするときに裏面の成分表示を見てから買うようにすると良いと思います。

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今回もお読みいただきありがとうございました。

腸内環境を整えるために気を付けたいことは他にもたくさんありますが、すべてに

こだわって100%やろうとすると、逆にストレスになってしまうこともあると思い

ます。カラダにとって良いことをして、ストレスを溜めてしまうのは本末転倒です。

ときには食べたいもの、好きなものを美味しく楽しく食べるのも良いと思います。

そんな時は食べ合わせや食べ方に気を付けてみましょう。

基本的に「あれダメ!これダメ!」がないのが漢方養生学の良いところです。

次回もお楽しみに!

漢方養生アドバイザー® 吉澤茜

【10月の養生(3)秋の食養生】10/18配信メルマガ#16

五行色体表を見ると、秋は「金」に属し、肺・大腸・白・燥・辛・ 鼻・皮毛・悲などが

同じ仲間で、秋に深い関わりがあることがわかります。

東洋医学で言う「肺」とは、単に臓器の肺のことだけではなく、鼻、咽喉、気管支、肺

など呼吸器官全体、またその働きのことを示します。

肺は外界と接していて、ウィルスや細菌、その他花粉などのアレルギーの原因となる

ものは、ほとんどが肺から侵入してきます。感染症対策にも、免疫力を考える上でも

肺はとても重要です。


秋は乾燥の季節ですが、肺は乾燥がとても苦手です。

皆さんも、空気が乾燥していると喉が痛くなったり、空咳が出たりという経験があるか

と思います。鼻や喉がしっかり潤って粘液で覆われていないと、ウィルスなども侵入

しやすくなります。早めに潤い ( 陰 ) を補って、カラダの内側から乾燥を防ぎましょう。

大腸や皮膚も「金」の仲間です。乾燥して便が硬く便秘気味になった、肌がカサカサ

してきた、という方は肺が乾燥しているサインです。 保湿クリームなどを塗って保護

してあげることも刺激から守るためには必要ですが、カラダの内側が乾燥していては

またすぐにカサカサになってしまいます。肺やカラダを潤す作用のある食材を取り入れ、

内側から乾燥対策をしましょう。


また辛味のあるものを摂ることで、肺の気がアップします。大根、ネギ、生姜など、

辛味のものを少しプラスするのもオススメです。辛味は発散作用が あり、気血の巡りを

良くしたりカラダを温めたりする効果がありますが、食べ過ぎると毛穴が開いて汗を

かきすぎ逆にカラダを冷やしてしまう、陽気を発散しすぎてしまう、ということもあり

ますので、摂り過ぎには気をつけましょう。


〈秋にオススメの食材〉

山芋、里芋、蓮根、白キクラゲ、百合根、くわい、大根、ネギ、 白ゴマ、梨、りんご、

いちじく、柿、ぶどう、バナナ、豆乳、豆腐、葛、はちみつ、 松の実、銀杏、蓮の実、

杏仁、卵、豚肉、きのこ類、海藻類、タコ、ほたて、鮭、鯖、 秋刀魚、鯛、鰆、など


秋は美味しい食材がたくさん出てきます。

ぜひ旬のものを取り入れて、美味しく楽しく食べながら、 元気に過ごしましょう!


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お読みいただきありがとうございました。

秋と関わりの深い感情は「悲」。

日が暮れるのが早くなって少し冷たい秋風が吹いてくると、なんとなく物悲しい気持ち

になってしまいますが、「悲」は肺の気、免疫力を落としてしまいます。

天気の良いには外に出て太陽の光を浴び、お日様のパワーをたくさんもらいましょう。

次回もお楽しみに!

漢方養生アドバイザー ®    吉澤 茜

【10月の養生(2)秋の養生】10/11配信メルマガ#15

季節の変わり目というのは、寒暖差が大きく、天気も変わりやすいので、その都度

カラダが対応しなければなりません。すると自律神経に負担がかかり、疲れやすく

なったりバランスを崩したりしがちです。

また夏の終わりから秋にかけては台風も多く、秋の長雨という言葉もありますが、

実は梅雨よりも9~10月の方が降水量も多いのです。

しかし一方で、秋は空気も乾燥してきて、喉やお肌の乾燥も気になります。

今の季節、どんなことに気をつけて過ごしたら良いかお伝えしていきたいと思います。


まずは「早寝早起き」です。秋分の日を過ぎ、昼(陽)より夜(陰)の時間の方が長くなって

います。人間も自然の一部であるということを常に忘れず、太陽の動きに合わせて、

私たちの睡眠や活動も考えていくと良いですね。

夜ふかしは気血を消耗してしまいます。

四季を通じて夜ふかしは避けた方が良いですが、陰の季節である秋冬は特に早めに寝る

ように心がけたいですね。

そして朝は早めに起きて朝日を浴び、なるべく朝のうちにカラダを動かして交感神経が

グッと優位になるように活動します。しっかりとメリハリのある自律神経の波を作り、

生活リズム、陰陽のバランスを整えていきましょう。


次に、適度な運動、自らカラダを動かすことです。

夏は気温が高く、副交感神経が優位になることは以前にもお伝えしました。

これからはだんだんと寒くなっていきますので、副交感神経から交感神経に切り替わり、

基礎代謝を上げていく必要があります。その際、適度な運動をすることでスムーズに

変化に対応できるようになります。またカラダにこもった余分な熱を発散し、夏の

テンションをなだらかに落としていくためにも運動をするのはとても良いです。

秋は収斂の季節ですので、大量に汗をかき疲れ果ててしまうような激しい運動ではなく、

少し心拍数が上がり、汗ばむぐらいの運動にしましょう。


そして、これは一年を通じて繰り返しお伝えしていますが、冷たいものは控えましょう

涼しくなってきたとはいえ、日中はまだ半袖で過ごすぐらいの気温まで上がることが

あります。するとどうしても冷たいものが欲しくなってしまいます。今は習慣で一年中

氷入りの飲み物を飲んでいる人もいます。

しかし、胃腸をダイレクトに冷やしてしまうのは危険です。免疫力も下がりますし、

冷えは全身の様々な不調へと繋がります。

暑いときは、冷たい飲み物や食べ物ではなく、寒涼性の食材で涼しくなりましょう

今の時期でしたら梨や柿などの果物もオススメです。緑茶も涼性なのでいいですね。

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お読みいただきありがとうございました。

早寝早起き、適度な運動、冷やさない。

どれも言われてみれば健康のために当たり前のことだと思います。

しかし頭では分かっていても実際はなかなか…という方も多いのではないでしょうか。

養生は実践あるのみです。まずはとにかく自分でやって体感してみてほしいと思います。

次回は秋にオススメの食材などについてお伝えします。お楽しみに!

漢方養生アドバイザー® 吉澤茜

【10月の養生(1)〇〇の秋②】10/4配信メルマガ#14

さて今回は、前回の続きで秋の過ごし方をお伝えしたいと思います。


◎スポーツの秋

 真夏や真冬に、よし!スポーツを始めよう!とはなかなかなりにくいと思いますが、

 爽やかな秋晴れに心地よい風を感じると、普段はあまり運動をしない人も外に出て

 カラダを動かしたくなるのではないでしょうか。

 適度にカラダを動かすことは、どんな人にとっても必要です。

 そんな中でも特にスポーツの秋をオススメしたいのは、気が下がっている人です。

 具体的には、元気がない、疲れやすい、食後に眠くなる、風邪をひきやすい、冷えやすい、

 気温や気圧の変化に敏感、などです。

 元気がない状態だと運動をする気も起きないかもしれませんが、だからといって

 引きこもってばかりいては気が下がる一方です。自らカラダを動かして、気を上げていきましょう。

 無理なく自分のペースでやれることで構いません。

 ウォーキング、ジョギング、ストレッチ、ヨガ、ダンス、水泳、サイクリング、登山、

 ゴルフ等々。義務感ではなく、自分が楽しめることをやりましょう。

 私も毎週テニスをやっていますが、運動して汗をかくととてもスッキリします。

 自律神経のリズムをしっかり作ることも大切ですので、朝~午前中にカラダを動かす

 のがオススメです。

 
◎行楽の秋

 日々ストレスを感じている人は、自然の中へ出かけていって、心身ともに解放して

 のびのび過ごしましょう!

 このご時世、全くストレスを感じていない人はほぼいないのではないかと思います。

 ストレスを受け続けると「肝」がダメージを受け、気の巡りが悪くなります。

 肝鬱気滞という状態です。気が滞ると、溜め息が出る、肩や首が凝る、脇腹が張る、

 喉にものが詰まったような感じがする、すぐイライラする、などの症状が現れます。

 ストレスを溜め続けることなく、ちゃんと発散しましょう。

 日頃から、自分のストレス発散法を見つけておくことも必要です。

 ぶどう狩り、梨狩り、栗拾い、さつまいも掘り、紅葉狩り、ハイキング、キャンプ、

 など、秋ならではのイベントもいろいろありますので、ぜひ楽しんでくださいね。


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お読みいただきありがとうございました。

ご自分に合った秋の過ごし方は見つかりましたか?

不自由や制限、出来ないことはたくさんありますが、出来ないことにばかり目を向ける

のではなく、今できることの中で最大限楽しめる方法を考えて過ごす方が幸せですよね。

何事も捉え方次第。笑って過ごしたほうが免疫力も上がります!

それでは次回もお楽しみに。

漢方養生アドバイザー® 吉澤茜

10月漢方養生と宮廷料理の会

2021年10月3日(日)漢方養生と宮廷料理会が開催されました。

日差しが穏やかになり、過ごしやすい気候になってきました。

秋はおいしい食べ物だたくさん出てきたり、行楽へ出かけたりといろいろな

楽しみがある季節です。

夏にしっかり遊んでそのテンションがまだ続いている方は、気持ちを落ち着かせる

読書・芸術の秋がおススメです。

食べることが好きな人は体をしっかり動かしてから秋の味覚を楽しむと

心も体も充実して過ごすことができるでしょう。

寒い冬に備えて、秋の養生で体を整えていきましょう♪

五行色体表と相生相克関係
白菜のミルフィーユ エビ 前菜(アオリイカの紅麹和え 蒸し鶏 インゲンの和え物)中華風ミネストローネ ショウガ風味の中国式プリン
鶏のハスの葉包み