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【11月の養生(4) 風邪かな?と思ったら】11/22配信メルマガ#21
秋になると、風邪薬の宣伝が始まります。
「早めのパ○ロン♪」「熱・のど・鼻にル○が効く♪」等お馴染みのCMがありますね。
ゾクッときたり、喉が痛かったり、風邪かな?と思ったらどうしますか?
これを読んでくださっている皆さんは、市販の総合感冒薬(いわゆる風邪薬)を服用する
ことはあまりないでしょうか。
総合感冒薬には、解熱鎮痛剤、抗ヒスタミン剤、咳止め、去痰剤などが含まれています。
それぞれ、熱を下げ、痛みを和らげ、くしゃみや鼻水を止め、咳を鎮め、痰を出しやす
くする、という効果があります。
たしかに風邪薬を飲めば、風邪のつらい症状はおさえてくれるかもしれません。
しかし、症状が治まれば風邪は治っていると言えるのでしょうか?
発熱、咳、くしゃみ、鼻水などの症状は、すべてカラダの免疫反応によるものです。
体内に侵入してきたウィルスと闘ったり排除したりするために、カラダは体温を上げ
たり咳を出したりするのです。
そうやって闘っているところに、薬で無理やり症状を止めてしまったらどうでしょう。
なかなかウィルスを抑えることができず、かえって長引かせてしまうことになってしま
うのではないでしょうか。
カラダに起こる反応はすべて必要あってのこと。基本的には止めるのは良くありません。
風邪をひくのは免疫力が落ちているサインですから、まずは無理をせずにゆっくり休む
ことが大切です。
日本人は勤勉な人が多く、風邪ぐらいで仕事は休めない、というような風潮があります
が、薬で症状をおさえて無理して仕事や学校に行ったりするのはやめましょう。
職場や学校で他の人に感染を拡大させ、逆に迷惑をかけてしまうことにもなります。
そしてもうひとつ、体調が悪いときは「栄養のあるものをいっぱい食べて元気をつけよ
う!」という方がいますが、これは大きな間違いです。
風邪のときに食欲が落ちるのは、カラダの自然な反応です。
無理に食べる必要はありません。食べないで治そうとしているのです。
満腹時より空腹時のほうが白血球の働きも良くなり免疫力が上がります。
消化に時間のかかるものは、胃腸にも大きな負担になります。
体調が悪いときの食事はなるべく消化の良いものを少量にしておきましょう。
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今週もお読みいただきありがとうございました。
病気やケガのときにもせっせと食べているのは人間だけです。
動物は食べずにじっと休んで治していますね。その方が回復が早いということです。
「人間は誰でも体の中に百人の名医を持っている」
「病人に食べさせると病気を養うことになる、一方、食事を与えなければ病気は早く治
る」 医学の父ヒポクラテスの言葉です。
体の中の名医たちが存分に働けるようにしてあげることがとても大切だと思います。
漢方養生アドバイザー® 吉澤茜
【11月の養生(3)朝はパン派?ごはん派?】11/15配信メルマガ#20
「朝はパン♪」なんて言うCMも見かけますが、皆さん朝食にはパンを食べますか?
それともごはんですか?
いろいろなアンケート結果を見ると、パン派・ごはん派、だいたい半々のようですが、
漢方養生学的には、朝食にはごはん(お米)をオススメします!
お米は氣を上げて元氣をつけてくれる食物であり、反対に小麦は氣を下げて静める、
熱を冷ます作用があるからです。朝は眠っているカラダを目覚めさせて氣を上げていく
必要があります。そしてこれからはどんどん気温が下がり寒くなっていきますので、
なおさら朝食にはごはんが良いですね。
また、パンを食べるときに塗るバターやジャムなどは糖分や脂質が多いですし、パンを
自分で手作りされている場合はいいと思いますが、市販のパンには添加物などもかなり
たくさん含まれています。菓子パンを朝食代わりにしている人もいるかもしれませんが、
これは特に良くありません。菓子パンには大量の砂糖、質の悪い油、人工的な添加物等
がたくさん使われています。手軽に食べられて便利ですが、ぜひおにぎりなどに変えて
いきましょう。
もともと小麦が主食だった欧米諸国の人にとってはパン食もいいかもしれませんが、昔
からお米を食べてきた日本人のカラダ、胃腸にとっては、やはりお米が良いと思います。
秋は新米の美味しい季節です。朝食にはぜひお米を食べて、元氣に過ごしましょう。
朝は忙しくて時間がないとか、食欲があまり湧かないからと言って、朝食を摂らないと
いう人もいると思いますが、一日元氣に活動するためにも、朝ごはんを食べましょう。
朝は食欲がない、胃がもたれている、などの場合は、前日の夕食が影響しているかも
しれません。仕事の都合で夕食の時間が遅くなってしまう、夕食にお肉や揚げ物など
こってりした重たいもの(消化に時間がかかり胃腸に負担のかかるもの)を食べている、
というような場合は食生活を見直す必要があります。夜はできるだけ消化の良いもので、
量も少なめにしましょう。
夕食が遅くなってしまう場合はお味噌汁やスープにするのも良いと思います。旬の野菜
などをいろいろ入れて具沢山にすると、とても満足感がありますし、カラダも温まり
ますよ。
そして朝食の前には、少しでもカラダを動かしてから食べましょう。外に出て朝日を
浴び、できれば散歩や軽い体操などをすると、なお良いですね。カラダを動かすことで
内臓も目覚め、消化が良くなります。エネルギーに変わりやすくもなるので太りにくく
なるというメリットもあります。
「朝食が美味しく食べられる」というのは、ひとつの健康のバロメーターだと思います。
日中の過ごし方、夕食の内容、睡眠の質など、いろいろなことが影響してくると考えら
れますので、できるところから生活習慣、食生活を見直してみましょう。
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お読みいただきありがとうございました。
朝食に炊きたてのごはんを食べるか、コンビニなどで買った菓子パンを食べるかで、
我が家の子どもたちの機嫌も違うなと感じています。
多動、キレやすい、集中力がない、元気がない等、子どもたちの様々な精神的問題が
言われていますが、食べるものも影響しているのは間違いないと思います。
You are what you eat.あなたはあなたが食べたものでできている。食は人なり。ですね。
漢方養生アドバイザー® 吉澤茜
【11月の養生(2)常在菌を大切に】11/8配信メルマガ#19
先週の皮膚と免疫力の話からもうひとつ、今週は免疫力を考える上でとても大切な
「常在菌」についてお伝えしたいと思います。
もともと日本人はキレイ好きな人が多く、抗菌・除菌・消臭・消毒などの様々な製品が
広く普及し使われていたと思います。
そして新型コロナウィルス騒動が始まってからは、さらに拍車をかけ、何でもかんでも
消毒、除菌しまくっているのが現状です。
細菌やウィルスは目に見えないものですし、たしかに不安ですよね。
お店や施設に出入りするたびに手指にシュッと消毒液を吹きかけて擦り込む、買い物
かごやカートの持ち手も消毒液を染み込ませたペーパーなどで毎回毎回よく拭きとる、
飲食店ではお客さんが入れ替わるたびにテーブルや椅子などを消毒する、こんな光景が
今ではどこへ行っても当たり前に見られます。
皆さん、そんなに一日に何度も消毒して、手が荒れませんか?
本来、身のまわりのすべてのものは細菌などの微生物に覆われており、私たち人間も
多くの微生物と共存しています。外界に接する皮膚、口腔内、大腸などにはものすごい
数の微生物(常在菌や常在ウィルス)がいることが正常な状態です。
菌=病気の原因になる、汚い、不潔、ニオイ(悪臭)の原因になる、など悪いイメージが
あると思いますが、ほとんどの微生物は除菌や消毒をしなくても、カラダに悪さをする
ことはありません。
むしろ常在菌はなくてはならない存在で、人間はそれらと共生することで、正常な免疫
反応を維持しています。
花粉症や食物アレルギーを持つ人が近年、爆発的に増えているのも、この過剰な除菌
行動が原因のひとつと考えられます。
子どもの頃からできるだけたくさんの種類の微生物と触れ合って、様々な微生物を取り
込み、日頃から「免疫の訓練」をしておくことがとても大切です。
乳幼児がいろいろなものを触わり、何でも口に入れたがる時期がありますが、これは
自分のまわりの環境の微生物を取り込もうとする本能的な行動とも考えられます。
もちろん手洗いや入浴、清掃などで清潔にすることは必要ですが、昨今のような過剰な
対応は見直すべきだと思います。子どもたちが様々な微生物に触れて、免疫力を鍛え、
訓練する機会を奪ってしまっているのです。今の子どもたちがこのまま成長したら、
これから先、どうなってしまうのでしょうか。
病気にならないように、感染しないようにと、せっせと除菌・消毒することがかえって
免疫力の低下や、様々な病気を招いているという事実を知ってほしいです。
過剰な抗菌・除菌・消毒・消臭は、人体にとってだけでなく、環境にもとても悪影響を
及ぼします。ぜひ、カラダにも、自然環境にも良いものを選んで使ってくださいね。
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今週もお読みいただきありがとうございました。
我が家も数年前から、洗剤やシャンプー、ボディソープ等々、化学合成製品を使うのを
止め、カラダにも自然にも優しいものに変えました。すると子どもたちもほとんど体調
を崩さなくなり、とても健康になったと実感しています。常在菌を大切にすることで、
免疫力がUPする。逆に言うと、常在菌を排除しすぎると免疫力が下がってしまうと
いうことです。
日頃から過剰に除菌・消毒するのではなく、様々な微生物に触れ、常在菌(もちろん腸内
細菌も)に優しい生活を心がけましょう!
漢方養生アドバイザー® 吉澤茜
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【11月の養生(1)肺と皮膚と免疫力】11/1配信メルマガ#18
五行論では、皮膚は肺と同じ「金」の仲間となっています。
ヒトの皮膚呼吸は、呼吸全体の0.6%ほどと言われていますが、皮膚でも呼吸していま
す。鼻、咽喉、気管など呼吸と関連する器官がすべて「肺」と捉えると、皮膚や毛穴も
肺の一部と考えられます。
肺が虚弱だと風邪をひきやすく、喘息やアレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎などにも
なりやすいです。
気温が下がり、乾燥が進んできたこの季節、肺の氣をUPすることはとても大事ですね。
昔は、寒い冬の朝、上半身裸になって乾布摩擦をする姿がよく見られました。
皮膚をタオルで擦って刺激することで、肺を鍛える健康法ですね。
最近ではあまり見かけなくなりましたが、乾布摩擦が健康に良いということで、再び
注目を集めています。
効果としては、
・カラダが温まり冷えを改善
・自律神経を整い免疫力が向上
・血流が良くなり新陳代謝アップ
などが挙げられます。
また、寝る前に行うことで、睡眠の質が向上したという実験結果もあるようです。
上半身裸にならなくても、薄手の洋服や部屋着の上からでも十分な効果があります。
乾いたタオルや手ぬぐいで、心地よいと感じる力加減で擦りましょう。
あまりゴシゴシ強くやると、皮膚を傷つけたり炎症が起きたりする原因になってしまう
ので気を付けてください。
手足の末端から、カラダの中心に向かって各15回ずつぐらいで良いと言われています。
腕(手)、脚(足)、背中、肩、お腹など、トータル5分ぐらいでできますので、乾布摩擦を
朝晩の習慣にしてみてはいかかでしょうか。
朝やることで氣が上がり、夜にやると良い睡眠に繋がりますよ。
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今週もお読みいただきありがとうございました。
乾布摩擦も、健康に生きるための先人の知恵ですね。
お金もかからず、誰でも簡単に始められますので、ぜひ実践してみてください。
次回もお楽しみに!
漢方養生アドバイザー® 吉澤茜
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【10月の養生(4)肺と大腸と免疫力】10/25配信メルマガ#17
先週のメルマガで、肺と大腸は共に同じ「金」の仲間であるとお伝えしました。
呼吸に関係する肺と、消化吸収に関係する大腸が仲間であると言われてもあまりピンと
来ないかもしれません。しかし陰陽五行論では、肺と大腸は表裏の関係で経絡を通じて
お互いに連絡しあっていると考えられています。
ウィルスや細菌、花粉などのアレルゲンはほとんどの場合が肺から侵入してくるので、
「肺」の状態は免疫力とも深い関わりがあります。
近年では腸内環境がアレルギーにも関係しているとメディアなどでも言われるように
なり、大腸と免疫力に関連があるのもうなずけるのではないでしょうか。
それにしても、何千年も昔から、肺と大腸がつながっていると経験的に分かっていたと
いうのには驚きます。先人の知恵と経験というのは本当にすごいですね。
免疫の7割は腸にある、とも言われていますが、日頃から腸内環境を整えておくことは
とても大切です。日々の排便状況、便の状態やニオイなどを自分で観察してみましょう。
前の日に食べた物や、冷たいものを摂りすぎた、強いストレスがあった、などによって、
様々な変化があるはずです。
では腸内細菌に良い食事とはどんなものでしょうか。
やはり基本的には、日本人が昔から食べてきた、伝統的な和食が良いです。
「まごわやさしい」という言葉を聞いたことがありますか?
ま→豆類、ご→ごま(種実類)、わ→わかめ(海藻類)、や→野菜、さ→魚、し→しいたけ
(きのこ類)、い→芋類、の頭文字を取ったものです。
地産地消で、その土地で採れた旬のものを中心に、バランス良く食べるのが良いですね。
また、食物繊維や発酵食品も意識して摂りましょう。日本の伝統的な発酵食品は、漬物、
味噌、納豆などいろいろあります。
食べる時はよく噛んで、腹八分を心がけることも大切です。よく噛むことで胃腸の負担
を減らすことができ、唾液もたくさん出ます。唾液には細菌の増殖を防いだり、口内を
清潔に保つ洗浄作用、また農薬などの化学物質を抱え込み排泄する作用も期待できます。
よく噛んで食べることで早食い、食べ過ぎを防ぐこともできますし、カラダにとって
良いことばかりです。
そして、食品添加物や化学調味料などが多く含まれている加工食品や精製食品は、
なるべく避けましょう。人工的な食品添加物の中には、腸内細菌のバランスを崩したり
腸に炎症を起こしたりする可能性を指摘されているものもあります。
現代では化学物質を完全に避けることはほぼ不可能ですが、なるべく減らすように意識
し、買い物をするときに裏面の成分表示を見てから買うようにすると良いと思います。
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今回もお読みいただきありがとうございました。
腸内環境を整えるために気を付けたいことは他にもたくさんありますが、すべてに
こだわって100%やろうとすると、逆にストレスになってしまうこともあると思い
ます。カラダにとって良いことをして、ストレスを溜めてしまうのは本末転倒です。
ときには食べたいもの、好きなものを美味しく楽しく食べるのも良いと思います。
そんな時は食べ合わせや食べ方に気を付けてみましょう。
基本的に「あれダメ!これダメ!」がないのが漢方養生学の良いところです。
次回もお楽しみに!
漢方養生アドバイザー® 吉澤茜