先週の皮膚と免疫力の話からもうひとつ、今週は免疫力を考える上でとても大切な
「常在菌」についてお伝えしたいと思います。
もともと日本人はキレイ好きな人が多く、抗菌・除菌・消臭・消毒などの様々な製品が
広く普及し使われていたと思います。
そして新型コロナウィルス騒動が始まってからは、さらに拍車をかけ、何でもかんでも
消毒、除菌しまくっているのが現状です。
細菌やウィルスは目に見えないものですし、たしかに不安ですよね。
お店や施設に出入りするたびに手指にシュッと消毒液を吹きかけて擦り込む、買い物
かごやカートの持ち手も消毒液を染み込ませたペーパーなどで毎回毎回よく拭きとる、
飲食店ではお客さんが入れ替わるたびにテーブルや椅子などを消毒する、こんな光景が
今ではどこへ行っても当たり前に見られます。
皆さん、そんなに一日に何度も消毒して、手が荒れませんか?
本来、身のまわりのすべてのものは細菌などの微生物に覆われており、私たち人間も
多くの微生物と共存しています。外界に接する皮膚、口腔内、大腸などにはものすごい
数の微生物(常在菌や常在ウィルス)がいることが正常な状態です。
菌=病気の原因になる、汚い、不潔、ニオイ(悪臭)の原因になる、など悪いイメージが
あると思いますが、ほとんどの微生物は除菌や消毒をしなくても、カラダに悪さをする
ことはありません。
むしろ常在菌はなくてはならない存在で、人間はそれらと共生することで、正常な免疫
反応を維持しています。
花粉症や食物アレルギーを持つ人が近年、爆発的に増えているのも、この過剰な除菌
行動が原因のひとつと考えられます。
子どもの頃からできるだけたくさんの種類の微生物と触れ合って、様々な微生物を取り
込み、日頃から「免疫の訓練」をしておくことがとても大切です。
乳幼児がいろいろなものを触わり、何でも口に入れたがる時期がありますが、これは
自分のまわりの環境の微生物を取り込もうとする本能的な行動とも考えられます。
もちろん手洗いや入浴、清掃などで清潔にすることは必要ですが、昨今のような過剰な
対応は見直すべきだと思います。子どもたちが様々な微生物に触れて、免疫力を鍛え、
訓練する機会を奪ってしまっているのです。今の子どもたちがこのまま成長したら、
これから先、どうなってしまうのでしょうか。
病気にならないように、感染しないようにと、せっせと除菌・消毒することがかえって
免疫力の低下や、様々な病気を招いているという事実を知ってほしいです。
過剰な抗菌・除菌・消毒・消臭は、人体にとってだけでなく、環境にもとても悪影響を
及ぼします。ぜひ、カラダにも、自然環境にも良いものを選んで使ってくださいね。
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今週もお読みいただきありがとうございました。
我が家も数年前から、洗剤やシャンプー、ボディソープ等々、化学合成製品を使うのを
止め、カラダにも自然にも優しいものに変えました。すると子どもたちもほとんど体調
を崩さなくなり、とても健康になったと実感しています。常在菌を大切にすることで、
免疫力がUPする。逆に言うと、常在菌を排除しすぎると免疫力が下がってしまうと
いうことです。
日頃から過剰に除菌・消毒するのではなく、様々な微生物に触れ、常在菌(もちろん腸内
細菌も)に優しい生活を心がけましょう!
漢方養生アドバイザー® 吉澤茜
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