【5月の養生(4)そろそろ梅雨の準備を②】5/23配信メルマガ#45

先週に引き続き、今週も、梅雨に備える養生についてお伝えしたいと思います。


まずは、全体的に食事量、カロリーを抑え、カラダに余計な湿を生みやすい食べ物は

なるべく減らしましょう、ということでした。

そして、食べる際には、温熱性・燥性のある薬味やスパイスを上手く使いましょう

ということをお伝えしました。

また、湿が溜まってカラダが重だるい、浮腫みが気になる、という方は、利尿作用の

ある食材を取り入れるのも良いですね。(具体的な食材は、赤白のテキスト「現代漢方

養生学」の巻末付録のページを参照してください。)


梅雨の時期は、五行で言うと「土」になります。五行色体表を見ると「長夏」と書いて

ありますが、雨が多く、ジメジメした季節のことですね。(また「土用」と書いてある

ものもあります。土用は季節の変わり目のことです。)


「土」の仲間を見ていくと、「脾」「胃」「湿」「甘」「黄」「思」などがあります。

東洋医学でいう「脾」とは、解剖学的な脾臓のことではなく、食べた物を消化吸収し、

栄養や水分を全身に巡らせる働きのことを言います。


「脾」は湿を嫌います。ですから外界から湿気の影響を受けやすい梅雨の時期は、特に

脾の働きが悪くならないように気を付けたいところです。

冷飲食は胃腸をダイレクトに冷やし、働きを弱めてしまいます。

気温が上がると冷たいものが美味しく感じますが、内臓が冷やされて良いことはひとつ

もないと言ってもいいぐらいです。飲み物は常温か温かいものがいいですね。

スッキリしたいときは、レモンなどの柑橘類を入れたり、常温でも炭酸水にしたりする

と良いですよ。


また、黄色い食材や甘味のある食材は脾胃の氣を補い、働きを高めてくれます。

ここでの甘味とは、砂糖の甘さではなく、食材の持つ自然な甘さのことです。

お砂糖たっぷりのベタベタしたものは、湿を生む原因になりますので気を付けましょう。


そして、「脾」と関連のある感情は「思」となっています。

思考・思慮が行き過ぎ、思い悩むと、食欲が落ちるという経験は皆さんもありませんか。

あれこれ考え過ぎたり、いつまでもくよくよ思い悩んだりしていると、脾胃の働きも

悪くなってしまいます。心の在り方も大切ですね。


外界の湿度や気温の影響を受けやすい、不快な症状が出やすいという人は、もともと

氣が低い人が多いです。

飲み物や食べ物に氣を付けることももちろんですが、まずは自律神経のリズムを整える

ことが大切です。

朝日を浴びて、カラダを動かし、交感神経をしっかり立ち上げる。夜はぐっすり眠れる

ように夕食は軽めに。一日の生活の中で、しっかりメリハリをつけるように意識して

ください。

自らしっかりカラダを動かして、氣を上げ、巡らせ、発散させていきましょう!


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お読みいただきありがとうございました。

病気の原因となる邪気(六邪)のうち、湿邪というのはなかなかやっかいで、治り

にくい、経過が長引く、繰り返し再発するなどの特徴があります。

カラダがだるい、浮腫み、関節が重だるく痛んだりするなどの他に、ジュクジュクした

湿疹が出ることもあります。

先週、今週とお伝えしたことに氣を付けて、不快な症状がなるべく出ないように、

また出たとしても早めに対処できるようにしていきましょう。

漢方養生アドバイザー® 吉澤茜

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