お腹がすくと「ぐぅ~」と鳴りますよね。
皆さんは、毎日、お腹の鳴る音を聞いていますか?
空腹をしっかり感じてから食べていますか?
私たち現代人は、明らかに食べ過ぎです。
数十万年前に人類が誕生して以来、こんなに食べ物が豊富にあり、毎日満腹になるまで
食べられるようになったのは、ごくごく最近のことです。(昔も、権力者たちは良い物を
贅沢に食べていたと思いますが。)
基本的な人間(動物)のカラダの作りとしては、ある程度空腹でも生きていけるように、
現代のように毎日毎日たくさん食べなくても大丈夫なようにできています。
血糖値を上昇させるホルモンは何種類も存在しますが、血糖値を下げるホルモンは
インスリンしかありません。ほとんどの動物にとって、満腹まで食べられるというのは
非日常だったのです。
日本では江戸時代まで1日2食が普通でした。
お釈迦様は、朝は「小食(しょうじき)」、昼は「正食(しょうじき)」、夜は「非食(ひじき)」
と説いています。朝は軽め(0.5食)、昼は適量(1食)、夜は食べない(0食)という意味
です。
医学の父、ヒポクラテスの言葉にも、
「満腹が原因の病気は空腹によって治る」
「月に一度断食をすれば病気にならない」
というものがあります。
現代と比べてそんなに食べ物が豊富でなかったと考えられる約2500年も昔から、
食べ過ぎはカラダに良くない、病気を招くということが分かっていたのですね。
食事を口で味わうのはほんの20~30分ぐらいのことですが、食べた物はその後、
胃、小腸、大腸と、消化・吸収しながら運ばれます。
食べ物にもよりますが、胃では3~4時間、小腸は約8時間、大腸から便となって
排泄されるまでには24時間以上かかります。
ということは、3食しっかり食べていると、胃腸は休むことなくずっと働かされ続けて
いることになります。これはカラダにとって大仕事、かなりの負担になります。
たまには胃腸を休ませてあげることも必要ですよね。
「食事の時間が来たから、それほどお腹が空いていないけど食べておこう」や、
美味しそうなものを目にしたから、お菓子をすすめられたから、他の人も食べるから、
残すともったいないから、などの理由で食べてばかりいると、間違いなく食べ過ぎに
なります。
食べ過ぎは、糖尿病をはじめ、様々な生活習慣病の原因にもなります。
まずは「しっかり空腹を感じてから食べる」、これを意識してみましょう。
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今週もお読みいただきありがとうございました。
最近、「断食」や「ファスティング」という言葉をよく聞くようになりました。
やはり食べ過ぎで病気になったり体調を崩したりしている現代人には、食べない時間が
必要なのでしょう。
来週は、空腹の時間を作ることで得られるメリットについてお伝えしようと思います。
お楽しみに!
漢方養生アドバイザー® 吉澤茜