【2月の養生(1)痛み止めの話】2/7配信メルマガ#30

今までの人生で、解熱鎮痛剤(痛みをおさえたり熱を下げたりする薬)を一度も服用した

ことがない人はほとんどいないのではないでしょうか。飲み薬だけでなく、湿布や

塗り薬などの外用剤もありますね。皆さん、一度は使ったことがありませんか?


頭痛、生理痛、発熱、外傷などによる痛み、抜歯などの術後等々、病院でもよく処方

されますし、最近ではロキソニン®も市販薬となり(スイッチOTC)、処方箋がなくても

手軽に薬局で買えるようになったので、より身近な存在になっているのではないで

しょうか。

CMでも「痛くなったらすぐ」とか「我慢しないで早めに」などと言っているのを

よく耳にするので、常用している人も多いかもしれません。


たしかに痛みはつらいです。

我慢するより、薬を飲んでなるべく軽く、早く楽になりたいと思うのも分かります。

でも痛くなったらすぐに、頻繁に服用していて良いのでしょうか?


バファリン®やロキソニン®に代表されるような解熱鎮痛剤は、NSAIDs:非ステロイド

性抗炎症薬(Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drugs)と呼ばれます。

プロスタグランジンという、炎症、発熱、痛みを起こす物質が作られるのを阻害する

ことで、効果を発揮します。

ではなぜ、体内でプロスタグランジンが作られるのか?

それは副交感神経優位にして、病気やケガを治そうとしているカラダの反応です。


副交感神経は適度に活性化したときはリラックスできて、感覚も敏感になりますが、

過剰反応を起こすと、発熱、痛み、発赤、腫れなど、とてもつらく、不快な症状を

伴います。

しかし病気やケガを治す過程では、そうやって患部への血流を増やし、組織を修復して

治そうとしているのです。

ですから、つらくてもある程度までは受け入れないと治りません。


現代の医療では、この副交感神経が起こす治癒反応を薬で抑えようとします。

不快なつらい症状は止まりますが、同時に治癒反応も止めてしまっているのです。

症状が治まれば楽になって治ったように感じるかもしれませんが、根本的には治って

おらず、慢性化させ、長引かせてしまう可能性もあります。


症状がとてもつらいときは、薬を使って軽減するのも良いでしょう。

しかし、解熱鎮痛剤は決して根本から治してくれているわけではない、ということを

自覚して使わなくてはなりません。薬で症状を軽くしている間に、必ず養生することが

必要です。

痛み止めを頻繁に使っている方は、いま一度、使い方を見直してみてくださいね。


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お読みいただきありがとうございました。

西洋医学では、炎症を止めること=病気が治ること、になってしまっています。

症状を取り除くこと、対症療法ばかりになると、病気をより悪化させてしまうことも

おおいにあると思います。

薬に頼るばかりでなく、養生しながら、上手に使ってほしいと思います。

漢方養生アドバイザー® 吉澤茜

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